ソフトバンクグループ(9984)―AI・半導体・通信を軸に再成長を狙う、ビジョンファンドの今とこれから
ソフトバンクグループ(SBG)は、日本を代表する投資持株会社で、国内外の通信事業や英アーム(半導体設計)、ビジョンファンドによるベンチャー投資など多様な事業を展開しています。創業者・孫正義氏の積極的なグローバル投資戦略やAI領域への挑戦で知られ、常に注目を集めてきました。一方で、近年はビジョンファンドの運用成績や金融市場の動向、巨額の有利子負債、海外ハイテク株の変動が業績に大きく影響する局面が続いています。
この記事では、最新の業績データ・財務情報をもとに、ソフトバンクグループの注目ポイントとリスクをフラットな視点で解説します。
株式データ
【銘柄名】ソフトバンクグループ 【銘柄コード】9984 【上場】1994.7 【市場区分】東証プライム 【33業種区分】情報・通信業 【17業種区分】情報通信・サービスその他 【株価】7,405 円 【PER】13.31倍 【PBR】1.02倍 【EPS】556.5 【BPS】7,293 【配当利回り】0.59% 【配当性向】7.9% 【1株配当】44 【営業CF】2,505億円 【投資CF】-8,414億円 【財務CF】-6,062億円 【現金等】61,868億円 【自己資本比率】26.0% 【有利子負債】191,286.90億円 【時価総額】12.8兆円 【ROE】-2.3% 【ROA】-0.5% 【公式サイト】https://group.softbank/ 【株主優待】株主優待なし
株価・指標の注目点と特徴
ソフトバンクグループの現在の株価は7,405円、時価総額は12.8兆円と国内でも最大級の規模です。PER(株価収益率)は13.31倍、PBR(株価純資産倍率)は1.02倍と、過去の大幅赤字を経て現在は割安圏とされる水準に落ち着きつつあります。
- 配当利回りは0.59%と、グロース志向の投資会社らしく高くはありませんが、1株配当は44円で安定。
- ROE(自己資本利益率)は-2.3%、ROA(総資産利益率)は-0.5%と、2022年以降の巨額損失の影響が続いています。
- 自己資本比率は26.0%と、一般的な大企業と比べればやや低めですが、投資会社としては許容範囲内です。
- 有利子負債は約19兆円と巨額ですが、現金等も約6.2兆円を確保しています。
ビジョンファンドの損益や海外子会社の株価変動が業績に直結するため、毎年の収益・純利益が大きく上下する点が、一般的な通信会社や製造業と大きく異なる特徴です。
ソフトバンクグループの注目ポイント―再成長への布石
ソフトバンクグループの最大の特徴は、AI・半導体・通信の三本柱を軸に、世界的なテクノロジーの波を捉えようとしている点です。特に、以下のポイントが注目されています。
- 孫正義氏による積極的な大型投資戦略(ビジョンファンド、アームへの再注力)
- 英アームが2023年に米国上場を果たし、グループ内の資産価値が再評価されている
- OpenAIや米国オラクル、中東の投資会社等と連携し、データセンター分野への巨額投資を計画(4年で約78兆円規模を標榜)
- 国内通信事業(ソフトバンク株式会社)が安定した収益源となっている
- ベンチャー投資事業の損益変動が大きいが、2024年以降は最終黒字転換見通し
ビジョンファンドの一時的な損失や新興企業投資のリスクが表面化した時期もありましたが、足元ではAIやデータセンター分野へ新たな成長投資を進めており、事業ポートフォリオの再構築が進んでいます。
財務・キャッシュフローの現状と推移
直近の財務データをみると、2024年3月期の売上高は6兆7,565億円、純利益は227億円の赤字でした。ただし、2025年3月期は純利益800億円の黒字、2026年3月期には1,050億円の黒字を見込んでおり、いよいよ回復基調に入る見通しです。
キャッシュフロー面では、
- 営業キャッシュフロー:2,505億円(本業での現金収入)
- 投資キャッシュフロー:-8,414億円(新規投資やM&A等で資金流出)
- 財務キャッシュフロー:-6,062億円(借入返済や自社株買い等で資金流出)
と、積極的な投資活動が継続しています。現金等は約6.2兆円と潤沢ですが、有利子負債も約19兆円と非常に大きく、財務バランスには注意が必要です。
今後の見通しと投資家へのメッセージ
ソフトバンクグループは、2022〜2023年にかけてビジョンファンドの評価損などで大幅な赤字を計上しましたが、2024年以降は黒字への回復が期待されています。米国株やAI関連株の回復、アームの上場による資産価値拡大、国内通信事業の安定収益など、ポジティブな材料がそろいつつあります。
一方で、有利子負債の多さや、投資先企業の業績・株価に左右されやすいビジネスモデルは引き続きリスク要因です。AI・半導体への巨額投資が今後の成長を牽引する可能性もある一方、短期的な業績の変動は避けられません。
「日本で最もダイナミックなグローバル投資会社」として、成長とリスクが表裏一体の存在です。安定志向の投資家よりも、中長期的なテクノロジー・成長ストーリーを重視する方に向いた銘柄といえるでしょう。
かぶポスト的スコア
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🌱 成長性: 2/5AI・半導体分野への大型投資は魅力ですが、業績の安定成長には不透明感が残ります。
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🏛 財務健全性: 2/5自己資本比率や有利子負債の水準から、財務リスクはやや高めです。
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🎁 株主還元: 3/5配当は安定的に維持されていますが、利回りは低めです。
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※本記事は、執筆時点における一般公開情報(EDINET、企業のIR資料など)に基づき、筆者が独自にまとめたものです。
掲載内容については正確性・完全性に配慮しておりますが、その保証をするものではありません。また、記載内容は元情報提供者の見解や推奨を示すものではなく、リアルタイムで更新されるものでもありません。
企業の業績・株価・優待内容などは日々変動するため、投資に際しては必ず最新の公式情報をご確認いただき、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
なお、本記事は特定の銘柄の売買を推奨または勧誘するものではなく、金融商品取引法上の投資助言にも該当しません。
ひーくん
かぶポストを運営している「ひーくん」と申します。投資歴は20年以上、保有株式の評価額は1.5億円を超え、不動産を含む総資産は約3億円に到達しました。投資スタイルは、高配当株と注目テーマ株を軸とした“堅実と成長”のバランス型。国内外に分散投資を行い、安定と成長の両立を目指しています。株主優待にも注目しており、現在は100以上の優待銘柄を保有。現物不動産による家賃収入も並行し、多角的なポートフォリオを構築しています。


