本記事では、株式会社トーメンデバイスの最新半期決算(2024年4月~9月)の法定報告書をもとに、業績ハイライトや増減要因、財務・キャッシュ・フローの現状、今後の見通しまでをわかりやすく解説します。決算のポイントや注意点も総括します。
決算ハイライト
- 売上高:2,073億円(前年同期比 +12.8%)
- 経常利益:55.5億円(前年同期比 +62.7%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:40.2億円(前年同期は0.04億円の赤字から大幅黒字転換)
- 包括利益:27.3億円(前年同期比 +36.0%)
- 1株当たり当期純利益(EPS):591.68円(前年同期は-0.59円から大幅増加)
増減要因の分析
株式会社トーメンデバイスの今期決算は、半導体メモリーを中心とした事業環境の改善が大きく寄与し、売上・利益ともに大幅な増加となりました。主力のメモリー分野では、価格上昇の恩恵を享受し、加えて円安の進行が粗利拡大に追い風となったことが増収増益の主因です。営業利益、経常利益ともに高い伸びを記録し、当期純利益は前年同期の赤字から大幅な黒字転換を果たしました。
一方で、為替差損などによる減益圧力もあったものの、メモリー価格の回復や好調なサーバー関連需要がこれを相殺したとみられます。今後は中国自動車向けの拡大やサーバー領域での新規案件の取り込みが期待されますが、メモリー価格の動向には引き続き注意が必要です。
セグメント別動向
事業セグメント別では、「メモリー」分野が売上の約8割を占めており、今期はこの部門が価格上昇の恩恵を強く受けました。また、「システムLSI」「ディスプレイ」なども構成比は小さいものの、安定した収益基盤として寄与しています。メモリー分野の回復に加え、円安を背景とした粗利の改善が全体の業績押し上げに大きく貢献しました。
なお、中国市場ではサムスン製半導体の信頼性を武器に自動車領域の顧客開拓を進めており、今後の成長余地が期待できると考えられます。
財務・キャッシュ・フロー分析
今期のキャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローが-232億円と大幅なマイナスに転じています(前年同期は+88億円)。これは運転資金の増加や在庫積み増し、仕入債務の変動などが影響している可能性があります。投資活動によるキャッシュ・フローも-0.4億円と小幅なマイナスでしたが、財務活動によるキャッシュ・フローは+172億円と大きく増加し、借入金の増加や資金調達が行われたとみられます。
自己資本比率はおよそ31.1%と健全な水準を維持しており、財務基盤は安定しています。補足として、ROE(自己資本利益率)は4.7%、ROA(総資産利益率)は1.6%と堅調な水準です。
今後の見通しとリスク
今後の業績見通しについては、主力の半導体メモリー価格や為替動向が引き続き最大のカギとなります。特にサーバー市場や中国自動車市場向けの需要拡大に加え、サムスン電子製品の信頼性を活かした新規顧客開拓が成長ドライバーとなる可能性があります。円安が続けば利益面でさらなる上積みも期待できそうです。
一方で、メモリー価格は市況変動の影響を受けやすく、今後の反落リスクも無視できません。また、為替変動やサプライチェーンの不透明感、海外メーカーとの競争激化といった外部環境にも注意が必要です。現状の好調は需給バランスと価格環境に支えられているため、今後も継続的な市場動向のモニタリングが重要となるでしょう。
よくある疑問点(FAQ)
- 今期の好業績は一時的なものですか?
→ 半導体メモリー価格の回復や円安の影響が大きく寄与しており、市況次第では変動する可能性があります。 - 株主優待や配当の方針はどうなっていますか?
→ 100株以上保有で選択式の株主優待が用意されており、配当金も安定した水準が見込まれています。 - 財務体質に懸念はありませんか?
→ 自己資本比率は31.1%と健全な範囲にあり、資金繰りや財務基盤に大きな問題は見受けられません。
まとめ
📌 ポイントはココ!
- 売上・利益ともに前年同期比で大幅増、純利益は黒字転換
- 主力のメモリー分野で価格上昇・円安効果が顕著
- 営業キャッシュ・フローは一時的に大幅マイナスも、財務活動で資金調達を実施
- 今後はメモリー市況や為替動向、サーバー・自動車市場の成長が注目点
トーメンデバイスは事業環境の改善を受けて業績を大きく伸ばしましたが、今後も市況や外部環境の変化に注意が必要です。安定した財務基盤と事業の強みを活かし、持続的な成長戦略が期待されます。
出典:EDINET(金融庁)
企業サイト:トーメンデバイス
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ひーくん
かぶポストを運営している「ひーくん」と申します。投資歴は20年以上、保有株式の評価額は1.5億円を超え、不動産を含む総資産は約3億円に到達しました。投資スタイルは、高配当株と注目テーマ株を軸とした“堅実と成長”のバランス型。国内外に分散投資を行い、安定と成長の両立を目指しています。株主優待にも注目しており、現在は100以上の優待銘柄を保有。現物不動産による家賃収入も並行し、多角的なポートフォリオを構築しています。


