日揮ホールディングス(1963)―工事損失からの回復と配当維持が注目の総合エンジ大手
日揮ホールディングスは、エネルギー分野を中心にグローバル展開する日本最大級の総合エンジニアリング企業です。LNG(液化天然ガス)や発電プラント、石油・ガス案件に強みを持ち、再生可能エネルギーや水素関連事業にも積極的に取り組むなど、多角的な事業展開で知られています。近年は海外大型案件での工事損失が影響し、業績が大きく揺れ動いている点が特徴です。一方で、配当政策は安定感があり、財務基盤も比較的健全な水準を維持しています。
株式データ
【銘柄名】日揮ホールディングス 【銘柄コード】1963 【上場】1962.5 【市場区分】東証プライム 【33業種区分】建設業 【17業種区分】建設・資材 【株価】1,149.5 円 【PER】--倍 【PBR】0.71倍 【EPS】-16.6 【BPS】1,628.3 【配当利回り】3.48% 【配当性向】データなし 【1株配当】40 【営業CF】110億円 【投資CF】-202億円 【財務CF】-88億円 【現金等】3,245億円 【自己資本比率】48.7% 【有利子負債】359.58億円 【時価総額】2,872億円 【ROE】-2.0% 【ROA】-1.0% 【公式サイト】https://www.jgc.com/ 【株主優待】株主優待なし
株価・指標から見る日揮HDの注目点
日揮ホールディングスの株価は1,149.5円(2024年6月時点)となっています。直近の業績悪化により、PER(株価収益率)は算出不可ですが、PBR(株価純資産倍率)は0.71倍と割安感が強い水準です。自己資本比率は48.7%と建設業界の中でも比較的高い水準を維持し、財務の安定性がうかがえます。配当利回りは3.48%と、安定した配当政策を背景に長期投資家にも注目されています。
一方、ROE(自己資本利益率)は-2.0%、ROA(総資産利益率)も-1.0%と、収益力は大きく落ち込んでいる状況です。背景には、海外案件での工事損失引当などがあり、収益面での回復が今後の重要なポイントとなります。
業績推移と配当政策のポイント
直近5期の売上高と純利益を見てみると、以下のような大きな変動が見られます。
- 2022年3月期:売上高4,284億円、純損失355億円
- 2023年3月期:売上高6,069億円、純利益307億円
- 2024年3月期:売上高8,326億円、純損失78億円
- 2025年3月期予想:売上高8,300億円、純損失40億円
- 2026年3月期予想:売上高8,000億円、純利益300億円
2023年3月期は黒字化したものの、2024年3月期は再び赤字転落。これは主に海外大型案件(台湾、カナダ、サウジアラビアなど)での工事損失引当が重なった影響です。2026年3月期には再度黒字回復を見込んでおり、今後の業績正常化に期待が集まります。
配当については、2023年3月期に38円、2024年3月期に40円と増配を継続してきました。2025年3月期以降も年間40円〜44円の配当予想を維持しており、赤字期でも株主還元に前向きな姿勢がうかがえます。
初心者向けポイント解説 ― なぜ「日揮」が注目される?
日揮ホールディングスは「エンジニアリング会社」として、プラント建設やエネルギー関連プロジェクトを世界中で展開しています。特にLNGや再生可能エネルギー、水素事業への取り組みは今後の成長分野として注目度が高いです。一方で、海外での大型案件は工事進捗の遅れや予期せぬコスト増といったリスクも伴います。
PBRが0.71倍というのは、会社の純資産に対して現在の株価が割安であることを示しています。これは、投資家が「将来の収益回復」に期待しつつも、リスクを懸念していることの現れとも言えます。
また、日揮HDは長い歴史と安定した財務基盤を活かし、赤字期でも配当を維持している点が特徴です。これにより「安定配当銘柄」としての評価も受けています。
財務・キャッシュフローの現状をチェック
日揮HDの財務内容を見ると、現金等3,245億円、自己資本比率48.7%と堅調な基盤を維持しています。有利子負債も359億円と、総資産に対して過度な負担ではありません。2024年3月期のキャッシュフローでは、営業キャッシュフロー110億円を確保する一方、投資キャッシュフローは-202億円と大きな流出超。これは、研究開発(104億円)や設備投資(181億円)を積極的に行っているためです。
こうした積極投資は、今後の再生可能エネルギーや新規案件の受注拡大に向けた布石と言えます。財務全体としては健全性を維持しつつ、成長投資を続けている構図が見えてきます。
今後の見通しと投資家へのメッセージ
日揮ホールディングスは、2024年3月期に続いて2025年3月期も赤字を予想していますが、2026年3月期には純利益300億円の黒字転換を見込んでいます。海外大型案件の工事進捗や損失引当のリスクは残るものの、UAEやイラクなど新たなプロジェクトが牽引役となり、業績回復への道筋は徐々に見えてきています。
一方で、プラント建設というビジネスモデルの特性上、プロジェクト単位での損益変動が大きく、突発的な損失計上リスクとも常に隣り合わせです。また海外比率が高く、為替や地政学リスクにも左右されやすい点には注意が必要です。
ポジティブな要素としては、再生可能エネルギーや水素などの成長分野への投資、安定した配当政策、健全な財務基盤が挙げられます。今後の業績回復や新規受注の動向に注目しつつ、リスクとリターンのバランスを意識した中長期目線での分析が求められそうです。
かぶポスト的スコア
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🌱 成長性: 2/5海外案件の損失や収益変動が大きく、安定成長には課題。
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🏛 財務健全性: 4/5自己資本比率が高く、現金も豊富で財務基盤は堅調。
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🎁 株主還元: 3/5赤字期でも配当維持の方針があり、安定感は評価できる。
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※本記事は、執筆時点における一般公開情報(EDINET、企業のIR資料など)に基づき、筆者が独自にまとめたものです。
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企業の業績・株価・優待内容などは日々変動するため、投資に際しては必ず最新の公式情報をご確認いただき、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
なお、本記事は特定の銘柄の売買を推奨または勧誘するものではなく、金融商品取引法上の投資助言にも該当しません。
ひーくん
かぶポストを運営している「ひーくん」と申します。投資歴は20年以上、保有株式の評価額は1.5億円を超え、不動産を含む総資産は約3億円に到達しました。投資スタイルは、高配当株と注目テーマ株を軸とした“堅実と成長”のバランス型。国内外に分散投資を行い、安定と成長の両立を目指しています。株主優待にも注目しており、現在は100以上の優待銘柄を保有。現物不動産による家賃収入も並行し、多角的なポートフォリオを構築しています。


