住友化学(4005)―赤字脱却と再編進む大手化学、再成長への布石と財務リスクに注目
住友化学は、日本を代表する総合化学メーカーの一角を占め、素材から医薬品、農薬、電子材料まで幅広い事業を展開しています。海外展開も積極的で、シンガポールやサウジアラビアといった海外拠点を持つグローバル企業です。ここ数年は構造改革や事業ポートフォリオの見直しを進めており、特に医薬品事業の再編や、欧州でのM&Aなど大きな動きが続いています。一方で、2024年3月期は巨額赤字となり、財務面や事業環境の転換が注目されています。
株式データ
【銘柄名】住友化学 【銘柄コード】4005 【上場】1949.5 【市場区分】東証プライム 【33業種区分】化学 【17業種区分】素材・化学 【株価】357.7 円 【PER】15.42倍 【PBR】0.64倍 【EPS】23.2 【BPS】555.84 【配当利回り】2.52% 【配当性向】45.3% 【1株配当】9~12 【営業CF】-513億円 【投資CF】-1,122億円 【財務CF】492億円 【現金等】2,174億円 【自己資本比率】25.3% 【有利子負債】14437.03億円 【時価総額】5,748億円 【ROE】-29.2% 【ROA】-7.9% 【公式サイト】https://www.sumitomo-chem.co.jp/ 【株主優待】株主優待なし
株価・指標から見る住友化学の現状と特徴
現在の株価は357.7円。PBRは0.64倍と、純資産(BPS)に対して低い水準です。PBRが1倍を大きく下回っている企業は、資産価値から見て割安感が意識される一方、事業環境や業績の厳しさが市場から織り込まれているケースも多いです。
一方、PERは15.42倍と市場平均並みですが、これは今期の黒字回復予想を反映したもの。直近で大幅赤字を計上していることもあり、一時的な数字である点には注意が必要です。
配当利回りは2.52%と東証プライム全体の中で特段高い水準ではないものの、一定の株主還元姿勢は維持しています。配当性向は45.3%とやや高めです。
- ROE(自己資本利益率)は-29.2%と大きなマイナス。これは24年3月期の巨額赤字が影響しています。
- ROA(総資産利益率)も-7.9%と厳しい状況。
- 自己資本比率は25.3%とやや低め。有利子負債も1兆4,437億円と重い水準です。
財務指標では厳しさが目立ちますが、次年度以降の黒字転換と再成長をどう描けるかがポイントとなります。
住友化学の注目ポイントと事業構造
住友化学は、石油化学・機能材料・電子材料・農薬・医薬品といった多角的な事業を展開しています。特に海外売上比率が68%と高く、グローバル市場で存在感を発揮。直近では、医薬品事業の大幅な損失や海外大型合弁(サウジアラビアのラービグ事業)に関する一時的な損益が業績に大きく影響しました。
医薬品部門の再編や欧州での事業買収、逆に採算の悪い事業の売却など、「選択と集中」を進めている最中です。これは今後の再成長に向けた布石とも言えます。
- 医薬品事業の分社化・再編による収益構造の転換
- 液晶ポリマーや欧州農薬企業の買収など、成長分野への投資
- 一方で、巨額赤字による財務負担増が懸念材料
業績低迷の原因は複数ありますが、特に医薬品の一過性の損失や海外事業の特殊要因が大きく、これらが剥落した後の収益回復に期待がかかります。
財務・キャッシュフローの現状分析
財務データを見ると、自己資本比率は25.3%とやや低く、有利子負債が1兆4,437億円と多額です。現金等は2,174億円ですが、営業キャッシュフローが-513億円、投資キャッシュフローも-1,122億円とマイナス基調。
これは医薬品事業の損失や大規模な投資・再編費用が影響していると考えられます。積極的な設備投資(1,584億円)、研究開発費(1,840億円)も続けており、今後の成長分野へのシフトに向けた布石といえるでしょう。
今後の見通しと投資家へのワンポイント
2024年3月期は3,118億円もの巨額赤字に沈みましたが、2025年3月期以降は黒字転換予想が示されています。これは医薬品部門の一過性損失や海外子会社の損失計上が剥落することが主因です。
一方で、自己資本比率の低下や有利子負債の多さ、また再編コストの継続など、依然として財務リスクの高さは否めません。配当は一時的に減少しましたが、今後は業績に応じて段階的な回復が期待されます。
- 今後の注目ポイントは「医薬品・電子材料などの新規分野での収益改善」と「財務健全性の回復」
- 海外比率が高いため、為替や世界経済の動向も大きく影響
- 配当水準はやや不安定だが、株主還元の意思は維持
投資判断としては、短期的にはリスクも大きい一方で、中長期での再成長や構造改革の成果に関心が集まる局面です。企業の再編・回復ストーリーに注目しつつ、リスク許容度に応じて情報収集を続けるのがよいでしょう。
かぶポスト的スコア
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🌱 成長性: 2/5事業再編中で短期的な成長は限定的ですが、中長期での再構築に期待が残ります。
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🏛 財務健全性: 2/5巨額赤字と有利子負債の多さから、財務リスクは依然として高い状況です。
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🎁 株主還元: 3/5減配はあったものの、配当維持への姿勢と今後の回復余地が見込まれます。
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※本記事は、執筆時点における一般公開情報(EDINET、企業のIR資料など)に基づき、筆者が独自にまとめたものです。
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企業の業績・株価・優待内容などは日々変動するため、投資に際しては必ず最新の公式情報をご確認いただき、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
なお、本記事は特定の銘柄の売買を推奨または勧誘するものではなく、金融商品取引法上の投資助言にも該当しません。
ひーくん
かぶポストを運営している「ひーくん」と申します。投資歴は20年以上、保有株式の評価額は1.5億円を超え、不動産を含む総資産は約3億円に到達しました。投資スタイルは、高配当株と注目テーマ株を軸とした“堅実と成長”のバランス型。国内外に分散投資を行い、安定と成長の両立を目指しています。株主優待にも注目しており、現在は100以上の優待銘柄を保有。現物不動産による家賃収入も並行し、多角的なポートフォリオを構築しています。


